【声明】
米・イスラエルによるイラン侵略に抗議し即時停止を求める(PDF)

【声明】米・イスラエルによるイラン侵略に抗議し即時停止を求める
  2026年3月2日
  日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会

アメリカとイスラエルは2月28日、イラン各地を空爆し、先制攻撃によってイランにたいする全面的な侵略戦争を開始した。最初の攻撃でイランの最高指導者ハメネイ師が殺害された。また軍事施設だけでなく小学校を含む民間施設が標的にされ、28日だけで民間人200人以上が犠牲となった。

日本AALAは国連憲章と国際法を踏みにじってイランの主権と領土を侵し、多数の人命を奪うだけでなく、中東全体に戦乱を広げる両国の暴挙を強く非難し、侵略行為をただちにやめるよう要求する。

アメリカはこれまでイランの「核開発」を武力攻撃の口実にしてきたが、今回トランプ大統領は戦争の目的がイランの体制転覆とカイライ政権の樹立であることを明言した。 イラン軍に対し「武器を捨てよ」と命じ、さもなければ「確実に死を迎える」と警告、反体制派支持者に対し「自国政府を掌握せよ」「それは君たちのものとなる。おそらく何世代にもわたる唯一の機会だろう」とよびかけた。イスラエルのネタニヤフ首相も、この戦争がテヘランの政権を打倒し、「専制の枷を打ち破り、イランに自由と平和を愛する価値観をもたらす」と主張した。

両国は2年間にわたってガザ地区でジェノサイド犯罪を続け、「再建」と称したパレスチナの再植民地化を推進している。1月にはベネズエラを先制攻撃してマドゥロ大統領夫妻を拉致し、同国の石油資源の「奪還」作戦を始めている。これに続くイランへの攻撃の再開は、同国の政権転覆と再植民地化をめざした帝国主義的侵略戦争であること明白となった。

元米NATO軍のウェスリー・クラーク司令官は、2001年9月11日の同時多発テロ事件直後、イスラエルのネタニヤフ政権と米国防総省の帝国主義的戦略家たちが西アジアと北アフリカにおける7カ国の政府転覆計画を立案したことを明らかにした。その標的リストには、イラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランの7カ国が含まれ、アメリカはこれまでこのうち6カ国に軍事介入して政権を転覆し、イランが最後の1カ国として残されていた。

私たちは、両国の戦争政策が人民の自決権と主権の平等を基礎とする国連憲章と国際法のあからさまな蹂躙であるだけでなく、AALA地域を武力と武力の威嚇によって制圧し、再植民地化して資源を独占し、アメリカと「西側」世界の覇権を再建しようとするものであることを直視しなければならないと考える。

アメリカとイスラエルはイランの「核開発の脅威」を国際法上認められる「先制攻撃」の理由としているが、これは幾重にも世論を欺くものだ。イランは核技術の開発が、核不拡散条約の下で認められた主権的権利であることを前提に、核兵器の開発はしないと繰り返し表明してきた。また2015年に欧米諸国との間での核合意(包括的共同行動計画:JCPOA)に署名し、違法な一方的制裁の解除との見返りに、核兵器開発を追求しないことを誓約した。国際原子力機関(IAEA)は、イランがこの核合意を順守していたことを認め、国連安保理事会2231決議でも承認された。それにもかかわらず、トランプ政権は2018年、この合意(国際協定)を一方的に破棄した。

昨年6月の12日間の攻撃の際も、今回もイランとアメリカの間で新しい合意をめざして交渉がおこなわれ、「合意」が近いといわれるなかで、一方的な大規模爆撃に踏み切った。実際は「核開発」をめぐる交渉を「奇襲攻撃の隠れ蓑」にしていると指摘されている。核兵器の違法な開発を問題にするなら、現在200発とされているイスラエル核兵器保有こそ問題にされなければならない。

イラン政府と革命防衛隊は「自衛権行使は正当な義務」として、地域に広がる米軍基地にたいする報復攻撃を開始した。これにより周辺諸国の複数の国の施設や人身に被害がでている。イスラエルとアメリカは目的が達成されるまで攻撃するとし、イラン側も報復攻撃を続けるとしており、戦火は中東全域に拡大の様相をみせている。世界の原油輸送の20%を占めるホルムズ海峡が事実状閉鎖されたと伝えられ、世界経済への影響が懸念される。

世界の多数派(中国を含むグローバルサウスや非同盟諸国)は、イスラエルとアメリカの行動を非難し、攻撃をやめるようよびかけている。私たちは、侵略戦争を禁止した国連憲章のもとイランの主権と自決権を全面的に擁護し、植民地主義と帝国主義に反対する立場からら、世界の平和勢力が一致して両国の暴挙を非難し、侵略をやめさせるために立ち上がるようよびかける。

こうした事態にたいし、日本政府と与党および野党の一部は「アメリカの行動は理解できる」(鈴木自民党幹事長)などとして、侵略行為を非難せず、G7諸国とともに事実上、容認する態度をとっている。きわめて残念で不適切である。ロシアによるウクライナ侵略に厳しい非難をあげながら、アメリカの侵略行動は容認という二重基準は許されない。

中東の危機は日本にとって遠い事態ではない。安倍元政権は「ホルムズ海峡の封鎖」は集団自衛権を発動する「存立危機事態」になりうるとしていた。アメリカの軍事攻撃に加担しているとみなされれば、地域で活動する自衛隊や日本の艦船はすぐさま攻撃に対象になりうる。このような事態は絶対にさけなければならない。日本政府にたいし唯一の戦争被爆国であり、「非戦」の平和憲法をもつ国として、いかなる国であれ侵略戦争はゆるされないと立場を表明するよう求める。