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非同盟運動の源泉は、1955年にインドネシア、バンドンで開催された「アジア・アフリカ会議」にさかのぼることができます。歴史上初めての有色人種のみによる国際会議である「アジア・アフリカ会議」は、「バンドン会議」とも呼ばれ、日本を含むアジア、アフリカの29カ国が参加して行われました。
インドネシアのスカルノ大統領による開会演説は、、「多様性の中の統一」(unity
in diversity)と「反西欧ではなく、アジア、アフリカ諸国の誇りの上に立った国際協調こそが、この会議の目的である」と述べ、その格調の高さで有名です。この演説は、後に「新しいアジア・アフリカ生まれいでよ!」として知られています。彼の演説の基調は、「バンドン10原則」として結集しました。
非同盟運動には、独自のCharter(憲章)あるいはPlatform(綱領)を持っていませんが、「アジア・アフリカ会議」の「最終コミュニケ」G項にある「バンドン10原則」は運動の指針となっています。
| 1.基本的人権および国連憲章の目的と原則の尊重 2.すべての国家の主権、領土保全の尊重 3.すべての人種の平等と代償を問わずすべての国家の平等の承認 4.多国の内政への介入,干渉をさしひかえること 5.国連憲章に合致する諸国家の個別的あるいは集団的自衛権の尊重 6.(a)大国の特定の利益に役立てるための集団的防衛の諸協力の利用をさしひかえること (b)いかなる国も他国をを圧迫することをさしひかえること 7.いかなる国の領土保全、あるいは政治的独立にたいしても、侵略行為、脅迫、あるいは力の行使をしないこと 8.あらゆる国際紛争は、国際憲章にしたがって、交渉、調停、仲裁あるいは裁定のような平和的方法、ならびに当事国の選ぶその他の平和的方法で解決すること 9.相互利益と協力の推進 10.正義と国際的義務の尊重 |
日本AALAインドネシア友好訪問団 2002.3

バンドンの「アジア・アフリカ博物館」に再現されているバンドン会議場の前にて
・後方、演壇に見えるのは、スカルノ大統領の人形
開会演説の様子を記念したもの
・前列右から2人目は、アジア・アフリカ博物館館長
バンドン会議と並行して、ユーゴスラヴィアのチトー大統領が、1954年の暮れから1955年の初頭にかけて行ったアジア訪問旅行で、エジプトのナセル、インドのネルー、それにチトーの三首脳の結びつきが形成されました。
1956年7月18,19日、チトー大統領の別荘のあるブリオニ島で、三首脳の会談が行われました(ブリオニ島会議)。これは、「非同盟小頂上会議」あるいは「非同盟三巨頭会議」とも呼ばれるものです。
エジプトでのスエズ危機、ハンガリー動乱とソ連軍の介入という重大事件がチトーの非同盟諸国との連携を強化することとなりました。解放運動が高揚したアフリカでは、コンゴ動乱が起きました。(1960年)
1960年9月に開催された第15回国連総会において、上記のチトー、ナセル、ネルー、ガーナのエンクルマ、アジア・アフリカ会議主催国インドネシアのスカルノ大統領が集まって、5首脳の会議が開催された。この会議は「第1回非同盟会合」として知られています。
1961年6月、ユーゴスラヴィアのベオグラードで第1回非同盟首脳会議が開催されました。
参加国は、アフガニスタン、ビルマ(現ミャンマー)、カンボジア、セイロン(現スリランカ)、インド、インドネシア、ネパール、ガーナ、ギニア、マリ、モロッコ、アラブ連合、アルジェリア、エチオピア、ソマリア、スーダン、イラク、サウジアラビア、キューバ、ユーゴスラヴィア、キプロス、レバノン、チュニジア、コンゴ、イェーメンの25カ国でした。
この間の事情は、2003年の第13回非同盟首脳会議開会式で歌われた「非同盟は導く」にも歌われています。
| 第1回 | 1961年 | 9月 | ベオグラード | ユーゴスラヴィア |
| 第2回 | 1964年 | 10月 | カイロ | エジプト |
| 第3回 | 1970年 | 9月 | ルサカ | ザンビア |
| 第4回 | 1973年 | 9月 | アルジェ | アルジェリア |
| 第5回 | 1976年 | 8月 | コロンボ | スリランカ |
| 第6回 | 1979年 | 9月 | ハバナ | キューバ |
| 第7回 | 1983年 | 3月 | ニューデリー | インド |
| 第8回 | 1986年 | 9月 | ハラレ | ジンバブエ |
| 第9回 | 1989年 | 9月 | ベオグラード | ユーゴスラヴィア |
| 第10回 | 1992年 | 9月 | ジャカルタ | インドネシア |
| 第11回 | 1995年 | 10月 | カルタヘナ | コロンビア |
| 第12回 | 1998年 | 9月 | ダーバン | 南アフリカ |
| 第13回 | 2003年 | 2月 | クアラルンプール | マレーシア |
非同盟運動は、冷戦構造の終結、停滞期などを経て、第13回クアラルンプール首脳会議では、その存在感を世界に示しました。
当初25カ国だった加盟国も、今回の首脳会議では、116カ国とほぼ5倍に増加しています。
今後も、今までの経験を生かして、平和な国際秩序を作り出すために大きな働きを担うことになるでしょう。
●岡倉古志郎著『非同盟研究序説 増補版』(新日本出版社/1999年)
●岡倉古志郎著『非同盟運動』(大月書店/1987年)
●奥野保男著『非同盟−新しい世界への展望』(泰流社/1980年)
●雑誌『前衛』2003年5月号(日本共産党中央委員会発行)
・「《座談会》非同盟諸国首脳会議を語る」(秋庭稔男/赤松宏一/緒方靖夫)
・「非同盟運動の歴史と現在」(神田米造)
●日本AALA編集『非同盟国際シンポジウム全記録集』
また、NAM公式サイトが、大変貴重な資料を提供しています。